治療期間のめやす

 治療期間は症例によって千差万別です。一般的には2年〜3年(治療回数は約40回)ですが,以下の場合その限りではありません。

第Ⅰ期治療を行う場合

 顎・顔面領域が成長途上であるお子様で,顎骨の形態や位置関係に異常があり,今後の成長に悪影響を及ぼす可能性がある場合は,細かい歯並びの治療を行う前にそれらの異常に対する治療を行います。この成長期の治療のことを第Ⅰ期治療と呼んでいます。異常の程度によっては装置の種類が複数になることがあり,治療期間が3年を超える場合もあります。1か月に1〜2回の来院が必要です。

動的治療のみの場合(第Ⅱ期治療の場合)

 顎の成長・発育をコントロールする治療の必要がない成長終了後の子供さん成人の患者さんでは,むし歯や歯周病などの問題がなければすぐに個々の歯を動かす治療を行います。これを動的治療と呼んでいます。また,上記の第Ⅰ期治療を行なった人で,その後この動的治療に進む場合に,これを第Ⅱ期治療としています。歯にブラケットという金具を接着し,月に1〜2回およそ2〜3年かけて針金の弾力で歯を配列します。
 しかし,矯正治療はそれだけでは終わりません。一度動かした歯は元の場所に戻る性質(後戻り)があるので,治療で並べた歯をその位置に留めておく保定(ほてい)が必要です。そのため保定装置を治療終了時にお渡ししています。保定の目安期間は動的治療にかかった期間と同程度の期間としています。保定期間中は数ヶ月〜1年に1回の来院をお願いしています。
 さらに,矯正治療をするしないに関わらず誰にでも起こる歯並びの経時変化をある程度抑制するためには,出来るだけ長期間保定装置を使用することをお勧めしています。